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救急隊長が日々の仕事や生活で感じることを綴ってい行きたいと思います。
救急隊長の独り言 その男性は歳は60歳、小柄で奥さん子供と小さな長屋の1つにすんでいました。
アルコールが好きで、朝から飲むことが多かったようです。アルコールが入らないとおとなしい性格で、むしろ静かなタイプでした。でも、アルコールが入ると雄弁になり、奥さんとけんかが耐えなかったようです。 奥さんのほうは男性に比べて大柄で、男性の貧相さに比べてふくよかさが目立つ女性でした。 夕方になると仕事から帰ってきた奥さんが、家で仕事もせずにアルコールばかり飲んでいる男性に対して、小言を言うところからけんかになるのがパターンで、けんかになると口ではまだまだ張り合えるが大柄な女性のツッパリにはあまりにも小柄すぎる男性は、転倒して頭部や腕などを打撲して救急要請というのがパターンでした。 救急要請はこの男性からばかりではなく、夫婦喧嘩に驚いた近所の人からの110番通報で駆けつけた警察官からの要請もたくさんありました。 約1年ほど前から頻繁になり、多いときには1週間毎日、日に三度、四度というときもありました。 あるとき、男性が奥さんに頼まれたものを近所のスーパーに買いに行き、帰ってみると家の中はもぬけの殻。 女性と子供はどこかに行ってしまっていました。 それからの男性は、アルコールの量が増えたのでしょう。飲んでは家の中で転倒して頭部から出血したり、道路で寝込んでいるところを発見されたり、明らかに生活の質が落ちているのが出場対応していてもわかるほどでした。 そして、寂しさからでしょうか、用もないのに救急車を呼ぶことが頻繁になりました。 しかし、ブラックリストに載ってしまった男性には収容してくれる病院が市内ではなくなり、隣接する病院へ運んでいましたがそれらの病院さえ、受け入れができない状態になってしまいました。 役所の福祉と相談し、本人了解の上アルコール依存の病院へ入院することになったのは、女性と子供が出て行ってからおよそ1ヶ月がたったころでした。 男性への出場要請がなくなり3週間ほどたったある日、私の出張所に大柄な女性が訪ねてきました。 すぐにそれが男性の奥さんであることはわかりました。 女性は今までの救急出場への侘びを述べられ、先日病院で男性がなくなったことを話されました。 アルコールのために体はかなり痛んでいたのでしょうか。 あまりに突然の訃報に、気持ちは複雑でした。 男は弱い生き物なんですね。 この男性は特に奥さんへの依存度が高かったために、失踪したことが相当な精神的にもダメージを与えたのでしょう。 無意味な救急要請は憤りさえ感じますが、あまりにこの男性とは接する時間と回数が多かったためにある意味濃い関係になっていました。 きつい事も言ってきました。 対応も冷たいときもありました。 でも、その訃報に気持ちは複雑です。 昨日も出場は14件。
ここ最近、10件を下回ったことありません。 仮眠なんて、とんでもなく 非番日の時間のたつことが早いこと。 帰って、寝たら夕方です。 今年になって、自己更新しました。 一日19件。 もう少しで20件の大台に乗るとこでした。 でも、まだまだ多いところは、全国探せばあるようで これぐらいでグチャグチャ言ってたら、 そんな町の消防士から笑われそうですね。 市民が求めているから、それだけ件数が多いのはわかりますが、 それにしても安易に呼びすぎです。 自分で歩いて乗ってくるぐらいなら、自家用車やタクシーでいけるでしょ。 先輩から言われていたことがあります。 ハイどうぞ!で、乗ってくれる患者は楽やン! 交通事故や重症の患者ばっかり19件も出たら それこそストレスで参ってしまうで! まったくそのとおりです。 ま、精神的にはそんな患者ばかりのほうが楽なんでしょう。 釈然とは、しないですが。 昨夜の1時過ぎに要請があった事案は、16病院に断られ収容先が決まるまで、一時間もかかってしまいました。
高齢者の発熱だけなのに。 この事案のキーワードは、高齢者、認知症、一人暮らし。 病院側もややこしい患者はとりたくないのでしょうね。 本当、最近の救急活動には危機感すら感じます。 1歳半の子供が灯油を飲んだという要請で出場した。
要請者の自宅前で、母親が子供を抱きながら私たちに向かって手を振っていた。 母親が目を離したすきに、玄関横に置いていた灯油のポリタン クに差し込こまれていた給油用のポンプ(正式名称はしょうゆ チュルチュルというらしい。)の片方を口の中に入れていたら しい。 今までも、乳児のタバコやおもちゃ、コインの誤飲など数々のものに出場したが、口にはするが飲み込むまでにはなかなかいかないのが現状だ。 今回の場合も、果たしてほんとに飲んだのか? 私の鼻を子供の口のところに持っていって匂いをかいでみる。 確かに少しにおう。 よだれかけにも灯油の匂いがする。 しかし、子供はいたって元気そうだ。 母親に抱かれて至極ご機嫌である。 私たちにも、愛想を振り撒いている。 だが、母親は不安で仕方なさそうだ。 それはそうであろう。 あまりないケースだが、万が一を考えて飲んだということで病院へ連絡する。 しかし、小児科の病院は軒並み断られる。 内科、外科系の病院に連絡するが、小児科に行ってくれと言われる。 子供の特に乳児の誤飲事故では、いつものことである。 一途の望みを持って連絡するが、やっぱり!という、最初からの予感が的中する。 こうなると仕方が無い。 搬送する病院がないのである。 直近の救命センターへダイヤルした。 受話口のドクターは、一通り私の話を聞くと 「ええよ、運んどいで」 救命センターは、生死に関わる最重症の患者を受け入れる われわれ救急隊にとっては最後の砦である。 しかし、現実はこのような軽症の患者も仕方なく診てくれている。 このようなケースは、私たちの中では、泣きつきといっている。 どこも収容してくれる病院が無く、かといって救命センター適用でない患者が現実に発生する。 私たちの救急業務は、患者を病院へ搬送してその仕事が終わる。 つまり、搬送する病院がなければ、私たちの仕事は終わらないということである。 私の最高記録は、精神科の患者さんの収容先が無く大阪府下全ての精神化病院にあたって、最高7時間かかったことがある。 救急業務の現実です。 そして、先の乳児の灯油誤飲にしても、小児科の病院の現実なんです。 つまり、病気は見るが中毒は見てもらえません。そして、外科内科の一般病院は乳児はほとんどといていいほど診たがりません。 この子供は、救命センターでは何の処置もすることなく、様子を見るということで帰ってもらったらしい。 昔の赤ひげ先生がいるような病院は今は無い。 先日、飲み会があった。
義理で出席しなければならない飲み会ほど、つらいものはない。 まったく知らない物同士が、同じテーブルに初対面で座ると、当たり障りのない会話....。 そして、40過ぎたおっさん同士の愛想笑い。 料理とビールをてきとーに飲み食いしながら、脱出のころあいを見計らっている。 うちのえらいさんには、一通り注ぎに行ってと。 もうそろそろエーやろ。 というところで、仲のいい部下を連れて脱出した。 途中で、トイレから出てくるうちの署の偉いさんとニヤミスしそうになるのを、革靴の紐を縛る振りして、やり過ごす。 で、焼き鳥屋で部下とあーでもないこーでもないと仕事談義や、ぼやき、あるいはゴルフのことなどなどしたたかに話して飲んでいると結構な時間がたっていた。 最終電車に何とかまにあった。 ホッとした瞬間に、なんだか腹の具合がおかしい。 うん? なんか、気になるものを思い出しても思い当たらず。 グルグルとまるでおならを腹の中でこいているような音がして、回りが気になるがどうしようもない。 おまけに、最終電車。 降りたら、確実にタクシーで5000円コースだ。 脂汗が滲み出すころに、やっと目的の駅に到着した。 電車のドアが開くと同時に、ダッシュする中年のおっさんに周りの乗客は違和感を覚えたはずだ。 小島よしおじゃないが、 そんなのかんけーねー! フウッ。 無防備な体制のまま、ひと時の安らぎを感じているとき 「紙がない!」 そーやった!電車の駅のトイレはトイレットーペーパーが付いてなかった。 まるで男性用避妊道具を売るような自販機で、買ってからこかなければならなかったんだ。 なぜ、駅のトイレにはペーパーを置かないねん! 怒りに尻が震えた。 セカンドバックやスーツの胸ポケット、ありとあらゆる入れそうなところを探してもティッシュはなかった。 どうする? そのまま、パンツをはいて家までダッシュするか? この場合は、すれ違う人はたぶんにおうだろう。 パンツを使って拭いて、ノーパンで帰るか....。 でも、何かの拍子に交通事故に遭って、救急車で病院へ運ばれた場合に40過ぎたおっさんを脱がしてみるとスーツの下が、ノーパンだったら看護婦さんは何を感じるだろうか? はたまた、自分の勤める管内の病院に運ばれたら......。 創造しただけで、おぞましい。 と、脱いだズボンのポケットにハンカチがあるんじゃないか。 そっと、中腰になって後ろポケットを探ってみると.... あるじゃない! レノマのブルーのハンカチは、まさかこんな使い方をされるとは思わなかったはずだ。 ハンカチ王子はさわやかに顔の汗をぬぐう姿に人気を博したが、 中年親父は密やかに個室で、誰の共感も得ることのないしぐさに一抹の寂しさを感じた。 ごめんな、レノマのハンカチ。 一連の作業が終わって、汚物入れに最後の別れをしようとふたを開けると 中には、一枚のチェックのハンカチが入っていた。 誰も共感できる人間はいないと感じていたが、 少なくともこの町には、私と相通じる人間が一人はいることに心の安らぎを感じた。 電鉄会社への怒りは、いつの間にか消えていた。 |
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